除夜の鐘っていつ撞く?108回の意味?誰が撞くの?誰でも撞ける?寺嫁が簡単に解説!

当寺の梵鐘(釣り鐘) 仏事豆知識

こんにちは!お寺ジェンヌです。

もうすぐ2023年が終わります。
1年が過ぎるのはあっという間ですよね。
年々早くて困っているのはお寺ジェンヌだけではないと思います。

ところで、年越しといえば「除夜の鐘」。
12月31日から1月1日の日付をまたいで撞きます。
でも、「除夜の鐘」って何でしょう?
撞く回数についてなど調べてみました。

そして、撞いてみたい方もいらっしゃると思います。
除夜の鐘体験は私のお寺の事を中心に書いてみたいと思います。
参考にしてください。

除夜の鐘っていつ撞く?由来は?

除夜の鐘っていつ撞く?

「除夜の鐘(じょやのかね)」とは
日本仏教で年末年始に行われる行事の1つです。
大晦日(おおみそか:12月31日)の深夜0時をはさんで
お寺の釣り鐘をつくことで、多くのお寺で108回つかれます。
除夜(じょや)とは大晦日の夜のこと。
多くのお寺では「除夜法要」「除夜会(じょやえ)」
など、その年最後の法要を勤めます。
その後に除夜の鐘を撞きます。
始まる時間は23時30分頃からが多いようです。
旧年(大晦日)のうちに107回つき、最後の1回を新年につくという説もありますが
これも各お寺に寄るようです。

私の寺でも除夜会(じょやえ)は寺院内だけ(家族だけ)でお勤めしています。
その後、23時30分くらいから撞き始めます。
私のお寺は撞く間隔を30分を目安にしているので1時間程度かかります。

除夜の鐘の由来って?

除夜の鐘はもとは中国の宋代の禅宗寺院の習慣に由来するそうです。
日本でも禅寺で鎌倉時代以降にこれにならって朝夕に鐘が撞かれるようになり、
室町時代には大晦日から元旦にかけての除夜に欠かせない行事になったようです。

しかし、除夜の鐘は明治時代には忘れられていたそうです。
それが昭和初期にラジオで中継されたことがきっかけで全国に広まったそうです。
1927年(昭和2年)にNHK放送センターの前身のJOAKが
上野・寛永寺(かんえいじ)で史上初めて中継放送されたことがきっかけで
全国に広がったとのことです。
浄土宗総本山である知恩院のでも除夜の鐘は
1928年(昭和3年)か29年(4年)頃としていて
ラジオ局の要請で始められたと記録されているそうです。

私のお寺でも除夜の鐘はついていますし、浄土真宗のお寺でも
除夜の鐘を撞くお寺はありますが、
本山の本願寺(西本願寺)では
「鐘は法要前や平和を祈るために鳴らすもの」として
除夜の鐘は撞いていません。
真宗大谷派本山の東本願寺でも
「親鸞聖人の教えでは、煩悩(ぼんのう)を払うという考え方はしない」として
ついていないそうです。
私は昔からずっと続いていたと思っていたのに
昭和初期からだったなんて驚きました!
しかも、宗派の方針で打つ打たないが決まったのではなく
各お寺がラジオのまねをしたから広まったんですね。

除夜の鐘は何回つくの?

除夜の鐘は多くの寺で108回のようです。
しかし、108回の由来は諸説ありどれが正しいかはわかってません。

人間の煩悩の数とする説

人間の煩悩(ぼんのう)は108あるとされています。
六根(ろっこん:仏教用語で感覚や意識を生ずる、六つの根元。眼・耳・鼻・舌・身・意の総称)に好(こう:気持ちが好い)・悪(あく:気持ちが悪い)・平(へい:どうでもよい)があって18。
この18それぞれに浄(じょう)・染(せん:きたない)の2類があって36。
この36が前世・今世・来世のそれぞれにあるとして
6×3×2×3=108

四苦八苦の数とする説

四苦八苦(しくはっく:仏教用語で生・老・病・死の四苦に、愛別離苦・怨憎会(おんぞうえ)苦・求不得(ぐふとく)苦・五陰盛(ごおんじょう)苦の四苦を加えた言葉。)
の意味で四九と八九を足した数
4×9+8×9=108

1年間を表す数とする説

月の数の12、二十四節気の数の24、七十二候の数の72を足した数
12+24+72=108

実際についている数は寺によって違いがあるようです。
人が多く集るお寺では多くの人がつけるように108回以上つく場合があります。
また、夜中なので少なく打つお寺もあります。
また、梵鐘(ぼんしょう:釣り鐘)のないお寺もあり、
除夜の鐘をつかないお寺もあります。

 

誰がつくの?誰でもつける?

除夜の鐘は誰がつくのでしょうか?
僧侶だけが撞くお寺もありますが、一般の方が撞けるようにしているお寺が多いようです。
人が多く集まるお寺は整理券を配っているケースがあります。
時間にお寺に行くと撞けるお寺もあるので事前に確認してください。
最近、夜中だと近所迷惑になるので12月31日の昼間に
「除日の鐘(じょじつのかね)」として撞くお寺もあるようです。
お寺のホームページやSNSで除夜会や除夜の鐘の情報を
発信しているお寺も多いので調べてみてください。

ちなみに、私のお寺の場合をご紹介します。
除夜の鐘はどなたでも撞いていただけます。
毎年12月31日 23時30分ころから始まります。
キューブ型のチョコレートを108個用意していて
1回撞くと1個差し上げます。
107回目と108回目は住職が2回は続けて撞いて終わりになります。
108回撞き終わるには1時間程度かかります。
除夜の鐘が撞けるので、みなさんに喜んでいただけます。
また、毎年来てくれるお子さんの成長がわかるので
嬉しい時間でもあります。
お寺によっては甘酒や豚汁などを用意していることもあります。
私のお寺もコロナ前は甘酒を用意していました。
うちは甘酒はもう少しお休みしようかと思っています。

除夜の鐘を撞きに行くときの注意点です。
寒い時期なので暖かい服装でお出かけください。

梵鐘(梵鐘:釣り鐘)は力一杯撞くと割れてしまうことがあります。
そうなると梵鐘が使えなくなってしまいますので
普通の力で撞いてください。

整理券を配布するお寺などお寺に寄ってやり方が違うので
お寺からの注意事項には従ってください。

お寺への行き帰りは気をつけてください。
また、ご近所にご迷惑にならないようにご配慮ください。

いかがでしたか?
年越しというと神社へ2年参りに行かれる方が多いと思いますが
お寺で除夜の鐘をつ撞きながら年越しをしてみてはいかがでしょうか?

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南無阿弥陀仏

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