「浄土真宗 門徒 有名人」というキーワードが目に止まりました。
そこで、この「浄土真宗 門徒 有名人」について書いてみます。
浄土真宗 門徒って?
Wikipediaには門徒(もんと)の説明を次にように書いてあります。
門徒(もんと)とは、一門のともがらのことを指す呼び方である。 ことに同じ門流に属して信仰を共にする人びとのことを言う。 後には一寺に属する檀徒のことを言うこともある。 ことに浄土真宗の檀徒・信者を「門徒」と呼ぶことが一般的であり、他宗派の檀徒を門徒と呼ぶことは少ない。
「檀家(だんか)」という言葉をお聞きになったことのあると思います。
檀家とは、サンスクリット語の「ダーナ」に由来し、
その意味は「施し与える」のことです。
この「ダーナ」という言葉が中国に渡り「旦那(檀那)」と音写されました。
「ダンナ」はここからきた言葉で、
施し与えてくれる人が「ダンナさま」ということです。
このダーナがもとになり「寺や僧を援助する庇護者」を
「檀家(だんか)」というようになりました。
檀家という言葉が広く使われだしたのは、江戸時代からです。
江戸幕府は1660年以後、寺院に対して、
檀家の各人がキリシタンでないことを証明し、
檀家の武士や庶民の家の戸主・家族・奉公人・
出入りの行商人などについても
その名前、年齢、所属の寺などを記した
戸籍台帳のようなものを備え付けるよう命を下しました。
宗旨人別帳、あるいは宗門改人別帳と呼ばれるものを
寺院が作成し、管理する制度が徹底されました。
寺院はこの台帳を元に、○○さんが自分の寺の檀家であり
仏教徒であることを証明しましたが、
やがて結婚や養子縁組、出生、死亡などの戸籍の証文となり、
その都度寺院の押印が義務付けられました。
寺院は、戸籍係のようなの役割で、
江戸幕府の出先機関のような役割をになっていたのです。
そして寺院は、寺請証文を発行し人々の身分を保証する代わりに、
盆や彼岸などの寺院へのお参り、葬式法要、
寺院修繕などの際の寄付のためなどから、
檀家制度が始まったものと考えられます。
檀家制度は明治の廃藩置県と共に廃止されましたが、
寺と檀家の関係は残り、宗教が「家の宗教」という形で
現在も続いています。
では「門徒(もんと)」の方はどうかというと、
「親鸞聖人の門下につらなる徒(ともがら)」つまりは
「南無阿弥陀仏を称えて生きる浄土真宗の信仰者」という意味になります。
浄土真宗の教えを信仰する者すべてが、
寺でなく宗門の大事な個であるという意味で
「門徒」と呼んできたのです。
「檀家」という言葉に「支援者」の意味があることと照らし合わせると、
「門徒」という言葉には、信仰へのより主体的な意志が感じられます。
つまり、門徒とは「浄土真宗を信仰する方」のことです。
浄土真宗は日本で一番大きな宗旨と言われていますので、
信仰する方も多く、
ご自分で「浄土真宗の門徒です。」と表明しないかぎり
浄土真宗の門徒かどうかは
わかりません。
「浄土真宗の門徒の有名人」は実際にいらっしゃるはずですが、
特に表明していらっしゃらないので、わからないと思います。
そこで、ここからは「浄土真宗僧侶の有名人」を何名かあげてみたいと思います。
浄土真宗僧侶の有名人
釈 徹宗(しゃく てっしゅう)さん
1961年生まれ
大阪府出身 僧侶、宗教学者(専門は宗教思想・宗教文化)
大阪府池田市にある浄土真宗本願寺派如来寺住職
相愛大学学長
特定非営利活動法人(NPO法人)リライフ代表
もしかしたら、一般の方にはあまり知られていないかもしれませんが、
仏教関係者、特に浄土真宗の関係者には有名は方です。
メディアへの出演も多いです。
私はNHK Eテレの「100分de名著」で「歎異抄」と
「維摩経」のエピソードが好きでしたが、
どちらも釈徹宗さんが指南役(しなんやく)で出演されていました。
だいぶ前の放送ですが「100分de名著」のウェブサイトで
番組紹介のアーカイブがご覧になれます。
また、書籍もたくさん出版されています。
2023年8月4日に内田 樹(うちだ たつる)さんとの共著
「日本宗教のクセ」が発売されています。
著書もたくさんあります。
二階堂 和美(にかいどう かずみ)さん
1974年生まれ
広島県出身。
浄土真宗本願寺派大龍寺住職
シンガーソングライター
1997年より本格的に音楽活動を開始。
1999年にのデビュー以来多くのミュージシャンと共演されています。
スタジオジブリ映画『かぐや姫の物語』(2013年)の主題歌「いのちの記憶」を
作詞作曲し歌も担当されていたのでご存じの方も多いと思います。
高畑 勲(たかはた いさお)監督からの強い要望で
主題歌を歌うことになったそうです。
代表作『にじみ』(2011年 P-VINE)。
その他、カバー、国内外のアーティストの共作など、
現在までに約20作を発表しています。
CM歌唱も多数で、資生堂の「インテグレイト」や
日産・マーチのCMソングを担当されています。
2019年に『負うて抱えて』という著書も出版されています。
透明感のある歌声が印象的な二階堂さん。
私もあんな風に歌えたらってうらやましく思います。
住職とシンガーソングライターとえいてご活躍中ですが、
ご法務(お寺のしごと)をしながらなので、
とでも大変なのではないかと想像してしまいます。
でも、ご門徒さんにとってはきっと自慢の住職さんでしょうね。
英月(えいげつ)さん
1971年生まれ
京都府出身
真宗佛光寺派大行寺住職
布教使
コメンテーター
学生時代はKBS京都テレビで、お天気お姉さんとして活躍。
大和銀行(現・りそな)本店信託部入行。
通常業務の他に、行内ニュースのキャスターを務められたそうです。
2001年 お見合いから逃れるため、家出をするようにして単身渡米。
北米唯一の日本語ラジオ放送「サンフランシスコラジオ毎日」で
パーソナリティーを務められ、
広く日系社会と係わられたそうです。
また、テレビCM等にも数多く出演しながらも、
一時期、アメリカの大学に通われました。
「写経の会」を主宰され、国を超え、人種を超え、
仏教のこころを伝える活動は、
広くアメリカに住む人たちに受け入れられたそうで、
アメリカに「お寺を作ろう!」という大きな動きとなったそうです。
2010年 ご実家の大行寺副住職だった弟さんが還俗したことで、
大行寺の後継者となるため、9年半ぶりに帰国。
そのユニークな経歴がメディアの注目を集め、
テレビ、雑誌にとご活躍されています。
書籍も多数出版されていて、2020年に出版された
「お見合い35回にうんざりしてアメリカに家出して僧侶になって帰ってきました。」は
台湾でも出版されています。
布教使として全国のお寺で布教活動のほか、
講演会の講師としてもご活躍されています。
ちなみに、親鸞聖人生誕850年 特別展
「親鸞 生涯と名宝」関連事前講演会で
釈 徹宗さん、二階堂 和美さん、英月さん(浄土真宗の僧侶)と
露の団姫(つるのまるこ)さんがお寺のジェンダー問題や
親鸞のイメージについて対談されました。
高須 克弥(たかす かつや)さん
愛知県出身。
日本の医師(美容外科)。学位は医学博士(昭和大学・
高須クリニック院長、昭和大学医学部客員教授、
真宗大谷派僧侶
生きる意欲を失っていたときに東日本大震災が発生。
東北へとボランティアに行き、医療的なことをするよりも、
読経はもともと亡くなった方を喜ばせるものです。僕は人を喜ばせることが大好きだから、 亡くなった方のことも喜ばせようと思い始めました。
とインタビューで答えていらっしゃいます。
お身内をなくされ、お寂しい思いをされていたときに、
お念仏の大切さを感じられたのだと思います。
門徒についての説明と
浄土真宗の有名な僧侶4名をご紹介させていただきました。
浄土真宗は十派あり、ご紹介した方の宗派は
浄土真宗本願寺派(釈 徹宗さん、二階堂 和美さん)
真宗仏光寺派(英月さん)
真宗大谷派(高須 克弥さん)です。
ほかの浄土真宗の宗派の有名な僧侶も調べてみたいと思いました。
浄土真宗で有名な仏教書「歎異抄(たんにしょう)」について
記事を書いています。
除夜の鐘の記事はこちら
お読みいただきありがとうございました。
南無阿弥陀仏
コメント