お寺ジェンヌです。
お寺ジェンヌは浄土真宗本願寺派の寺嫁であり、
僧侶（ペーパー坊主）でもあります。
以前の私は辛い生き方をしていて、
お寺に嫁いでも、得度（とくど）しても
浄土真宗の教えを信じることができませんでした。
しかし、あるとき「歎異抄」に出会った事から
親鸞聖人の教えは大事だと思うようになりました。
そんなお寺ジェンヌにとって大切な
「歎異抄」について調べてみました。
歎異抄って？
「歎異抄（たんにしょう）」は鎌倉時代後記に書かれた仏教書で、
日本だけではなく、世界でも多くの人に読まれています。
「歎異抄（たんにしょう）」は
世界で一番読まれている仏教書と言われているそうです。
歎異抄（たんにしょう）に見せられた方は数多く、
作家の司馬遼太郎（しばりょうらろう）さん：
無人島に一冊の本を持っていくとしたら『歎異抄』だ。
日本の代表的哲学者 西田幾多郎（にしだ きたろう）さん：
自分は『臨済録』と『歎異抄』さえあれば生きていける
と仰っていたそうです。
ほかに、吉本隆明（よしもと たかあき）さん、
遠藤周作（えんどうしゅうさく）さん、
梅原猛（うめはら たけし）さんなども
歎異抄（たんにしょう）に魅了された方々です。
また、現在でも書店に訳本や解説本、
関連書籍が数多ならんでいたり、
NHKでは「100分de名著」やほかの番組でも
幾度も取り上げられており、
人々の関心の深さがわかります。
歎異抄(たんにしょう)を書いたのは誰？親鸞？
「歎異抄（たんにしょう）」の作者は誰でしょうか？
浄土真宗（じょうどしんしゅう）の開祖 親鸞聖人（しんらんしょうにん）でしょうか？
実は親鸞聖人のお弟子さんの唯円（ゆいえん）だといわれています。
※確定しているわけではありません。
「歎異抄（たんにしょう）」は原本が残っておらず、
現存する最古のものは 原本ができて200年後
蓮如上人（れんにょしょうにん）が
書き写した蓮如本（れんにょぼん）と呼ばれるもの
のみだからです。
しかし、定説とされているので、
「歎異抄（たんにしょう）」の作者は
唯円（ゆいえん）としておきます。
親鸞聖人（しんらんしょうにん）の死後、
親鸞聖人の他力（たりき）の教えの様々な異説が
真宗門徒たちの間で広がっていたを嘆き、
直接親鸞聖人（しんらんしょうにん）の教えを聞いてる
自分、唯円（ゆいえん）が異説を正し、
師である親鸞聖人（しんらんしょうにん）の教えを忠実に
伝えようという思いから著された書物です。
悪人正機？悪人こそ救われるって？
悪人正機（あくにんしょうき）って何でしょう？
悪人正機は歎異抄（たんにしょう）第３章にある
善人なほもつて往生をとぐ。いはんや悪人をや
という部分のことで、
「善人でさえ往生するのだから、まして悪人はいうまでもない」
という意味です。
へんじゃないですか？
普通に考えれば
「悪人でさえ往生するのだから、まして善人はいうまでもない」のはず。
しかし、親鸞聖人（しんらんしょうにん）は
「善人よりも悪人こそが救われる」と仰っています。
これが有名な「悪人正機説（あくにんしょうきせつ）」です。
では、なぜ「悪人正機説（あくにんしょうきせつ）」は、
「善人でさえ往生するのだから、まして悪人はいうまでもない」になるのでしょうか？
ここでいう「悪人」は「犯罪者」ということではありません。
親鸞聖人（しんらんしょうにん）が「善人」と表現しているのは
「自力で修めた善によって往生しようとする人」を意味しています。
親鸞聖人（しんらんしょうにん）の教えは
「人は煩悩にまみれていて自分の力ではとうてい悟ることができない。
それを阿弥陀如来（あみだにょらい）様のおはたらきで
死後お浄土に往生させたいただき、仏にしていただく」という
「他力」の教えです。
しかし、そんな阿弥陀如来（あみだにょらい）様の
おはたらきを頼りにしないで、
自分の力で悟りを開こうとしている人を「善人」と表現しています。
「自分自身は善人であると思っている「善人」が往生できるのだから、
阿弥陀様を頼りにしている自分の愚かさを知って
阿弥陀如来（あみだにょらい）様におすがりするしかできない
「悪人」はなおさら往生できる」ということです。
だから「悪人正機（あくにんしょうき）」は
「善人なほもつて往生をとぐ。いはんや悪人をや」ということになります。
悪人が善人より先に救われるというのは、
かなり衝撃的ですよね。
しかし、決して「犯罪者が救われる」という意味ではないので
誤解のないようお願いします。
「自分自身は善人であると思っている傲慢な人が救われるのなら、
自分は愚かな悪人だと知っていて
阿弥陀如来（あみだにょらい）様にお任せしている人は
なおさら救われる。」ということなんです。
私は悪人正機説を初めて聞いたときは「？」と思いました。
でも、悪人の意味を聞いて「なるほど」と納得しました。
「歎異抄（たんにしょう）」についてはまた後ほど、
続きを書きたいと思います。
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お読みいただきありがとうございました。
南無阿弥陀仏
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