瑠璃光院のがっかりな理由とそれでも見る価値ありのおすすめポイントは!?

お寺紹介

こんにちは! お寺ジェンヌです。
2024年6月中旬、住職と2人で京都観光をしました。
その際に、八瀬(やせ)にある「瑠璃光院(るりこういん)」にお参りしました。
美しい紅葉が漆の写経机に映り込んだ画像を
ご覧になったことのある方もいらっしゃると思います。
私も、住職も素晴らしいお庭や写経を楽しんだのですが、
出かける前にネットで瑠璃光院のことを調べていると
「瑠璃光院、がっかり」の文字を目にしました。
そこで、私が瑠璃光院を訪れて感じた「瑠璃光院のがっかりな理由」と
それでも見る価値ありのおすすめポインをお伝えします。

瑠璃光院がっかりな理由1:値段が高い

瑠璃光院のがっかりな理由の1つ目は「値段が高い」です。
ネットで見ていたら拝観料が高いという意見が多かったようです。
拝観料は大人、2000円でした。
これは写経の用紙とボールペンがついています。
また、近くにあるルイ・イカール美術館は
瑠璃光院の付帯施設だそうです。
毎年瑠璃光院の特別拝観期間にあわせて開館する美術館で
入館料無料です。

ルイ・イカール美術館の観覧できることを知らない方も
いらっしゃるように思います。
実は私も後になって知りました。
瑠璃光院に着いたのが16時過ぎ。
美術館の閉館が17:00なので、どちらにしてもルイ・イカール美術館へは
行けなかったのですが、ルイ・イカールの絵にも興味があったので残念でした。

2つの施設が見られると言っても
ほかの京都の観光寺院の拝観料に比べると、
高いと思っても仕方ないかなっていうのが私の感想です。

でも、お庭の苔、青もみじの素晴らしさに大感激でした。
同時に維持、管理のご苦労をされているのだと思いました。
うちのお寺と比べては申し訳ないのですが、きれいに草をとり、
苔を維持するのは大変なんです!
だからあのお値段なんだと思いました。(勝手な想像ですが・・・)

瑠璃光院がっかりな理由2:人混みがすごい

瑠璃光院のがっかりな理由の2つ目、「人混みがすごい」です。
私たちが訪れた時間は夕方16時過ぎていました。
建物の中に入ると書院の2階を案内されます。
一番の見どころと言える「漆塗りの写経机にリフレクションするもみじ」の部屋です。
「どんなにきれいなんだろう!」と期待が膨らみます。

しかし、一番最初に目に入ったのは写経机を取り囲む観光客でした。
そして思っていたよりお部屋は狭く、写経机は小さかったです。
そこにたくさんの方が群がって写真を撮る順番待ちをしている状態でした。

写経机の向こう側にはいけないようになっていましたので
写真はきれいにとれましたが、写真の順番待ちは必須です。
ほかの場所でもなんとかキレイな写真が撮りたいと思うのですが、
人が映り込まないような場所を確保するのが難しかったです。

写経スペースは割と空席があったので
住職と二人で写経をしてきましたが、通路が近いため人の動きが気になりました。
隣の席との間隔も近かったです。
短い写経なのですぐ終わりましたが、
どうしてもザワついた雰囲気になるので写経の雰囲気を大切にしたいと思うと
がっかりするかもしれません。

私たちは予約なしで入れる「春の特別拝観」の時期に行きましたが
紅葉の時期は予約が必要になります。
初夏の夕方でも、人が多いと感じたのに、秋の紅葉シーズンはなおさらでしょう!
急に瑠璃光院に行きたいと思っても、
秋は無理だし、人気の観光スポットなので予約は取りにくくなるのは当然のことでしょう!
予約を取れたとしても人が多いようなので
それもがっかりする理由でしょう。
加えて、帰りのバスの混み方がひどかったです。
帰りは路線バスで京都駅まで移動しましたが
このバスがメチャメチャ混んでいて、とても疲れてしまいました!
人気スポットだから仕方がないのですが、もう少しゆっくりしたかったとも思いました。

瑠璃光院がっかりな理由3:お寺っぽくない

瑠璃光院のがっかりな理由の3つ目、「お寺っぽくない」です。
実際に拝観して私が感じたお寺っぽくない点を書きます。

お寺っぽくない理由∶もともとお寺ではないから

実は瑠璃光院はもともとお寺として作られた建物ではありません。
明治の実業家で政治家としても活躍した
田中源太郎(たなか げんたろう:1853年 – 1922年)が
所有していた土地に庵(いおり)を構え、
三条実美(さんじょう さねとみ:明治政府の太政大臣)が
「喜鶴亭(きかくてい)」と命名したそうです。
現在みられる建物と庭園は、大正末期から昭和にかけて造営されたものだそうです。

その後、高級料理旅館「喜鶴亭」として営業していました。
料理旅館が廃業することとなったときに、岐阜県に本坊のある光明寺が買収し、
2005年に寺院に改められたのがこの瑠璃光院だそうです。
歴史ある古いお寺だと思っていたのに、割と最近のことで私は驚きました!

本堂もあって阿弥陀さまの像が安置されていますが、
寺と言われて想像する本堂とは少し違うかなっていう感じです。
お寺として建てられていないからお寺っぽく見えないのは仕方ないです。

お寺っぽくない理由:しめ縄が掛かっている

見どころの1つとして「八瀬の釜風呂」があるのですが、
しめ縄がかけられていて、お寺の中にあるのに違和感がありました。
この釜風呂は日本式蒸し風呂の原型で、現存する数少ない釜風呂だそうです。
壬申の乱(じんしんのらん:672年)で、
大海人皇子(おおあまのおうじ:後の天武天皇)が背中に矢傷を負い、
その矢傷を「八瀬(矢背・癒背ともいう)の釜風呂」で
癒したという逸話が残っているそうです。

このため、お寺になる前からしめ縄がかけられていたのではないかと
推測しますが、このしめ縄が
お寺っぽくなく見える原因ではないかと私は考えました。

お寺っぽくない理由∶職員の方は僧侶ではない?

職員の方は作務衣を着ていらっしゃいましたが、
たぶん僧侶ではないようにおみうけしました。
だから、教えのことで質問したいこともあったのですが、やめました。
法衣(ほうえ:僧侶の装束)を着た方がいないので、
お寺っぽく見えない気がしました。

瑠璃光院がっかりな理由4:予約が取れない

瑠璃光院のがっかりな理由の4つ目は「予約が取れない」という意見がありました。
私は京都は観光地なので多くの観光寺院と同じく
瑠璃光院も年中拝観できるように思っていました。
しかし、瑠璃光院は年中拝観できる訳ではありません。
春、夏、秋の特別拝観以外の時期は中へ入ることはできません。
春、夏は予約は不要ですが、秋は紅葉が美しく、
観光客が殺到するのを避けて予約が必要になります。

私たちは春の特別拝観の期間に訪れたので予約は不要でしたが、
春、夏の青紅葉も見事なのと、
コロナが収束して外国からの観光客が多く
人が多く感じました。
拝観できない期間があったり、
秋の混雑を避けるために予約で人数制限をしていると
想像できるので、その辺りが「予約がとれない」という
がっかりポイントになってしまうのでしょう。

瑠璃光院がっかりな理由5:期待が大きすぎる

瑠璃光院のがっかりな理由の5つ目は期待が大きすぎるのではないかということです。
多くの方が京都観光の下調べをする場合、ネットを使っていると思います。
瑠璃光院のホームページをみると色とりどりのもみじの美しい映像が印象的です。
そして漆塗りの写経机に映り込んだもみじが本当に美しく
それだけで期待が大きく膨らみます!
私もそんな1人で、勝手に期待を膨らませ瑠璃光院へ向かいました。
だから期待と違った点が幾つかありました。

期待と違った点:移動が簡単だと思っていた

瑠璃光院へのアクセスを瑠璃光院のホームページでは
割と簡単に書いてあり、地下鉄とバスで行くことにしました。
京都は観光地だからバス停の場所、時刻表などは現地で
すぐに分かると勝手に期待していました。

京都駅から地下鉄とバスを乗り継いで行く予定だったのですが、
地下鉄を降りたらバス停の場所がわからず、
ウロウロ探してやっとみつけたと思ったら
意外にバスの本数が少なく、
バスで移動すると拝観時間に間に合わないことがわかりました。
もう、ショックで一瞬立ち直れないかと思うほど悔しかったです。
幸いすぐにタクシーを拾えたので無事拝観できたのですが
私の想定と現実が違っていて焦りました。

期待と違った点:広いお寺じゃなかった!

瑠璃光院の公式ホームページや京都の観光案内のページを見て
瑠璃光院は広いお寺だと勝手に想像していました。

しかし、実際に写経机の置いてある部屋を見た感想は
「えっ!思っていたのと違う!」でした。
もともと山の斜面を利用して作られた別荘なので大きい訳もないのですが、
なぜか20畳以上ある大広間に大きな写経机を想像していましたので
想像とのギャップに笑ってしまいました!

期待と違った点∶ザワザワしている。

瑠璃光院のホームページには観光客のいない写真が載っているので
静かで落ち着ける場所だと思っていました。
キャンペーンポスターのように
1人静かに縁側で抹茶をいただく姿を想像していました。

しかし、実際は「瑠璃光院がっかりな理由2」で書いたように
観光客が多く、ザワザワした感じがしました。
写経をさせていただいたのですが、ボールペンで気軽に書けるのはよかったのですが、
静かに墨を擦って書くイメージを持っているとそんな雰囲気ではありません!

平日でもこんな感じだったので、
お休みの日はなおさらではないのでしょうか。
観光スポットなのでホームページのイメージで
静けさを期待しているとがっかりしてしまいます。

思えばみんな想像のつくことではあるのですが、
家でネットを見ていると、瑠璃光院がとても美しいので
つい、期待が大きくなってしまいました。

やはり、ホームページや観光案内を見て
期待が大きくなってしまい過ぎることが
がっかりの原因の1つだと思います。

瑠璃光院のおすすめポイントは

いろいろがっかりポイントを上げましたが
それでも私は瑠璃光院は素晴らしいと感激しました。

おすすめポイント1∶やっぱり写経机にリフレクションするもみじ

がっかりポイントに何だかんだと書きましたが、
それでも漆塗りの写経机にリフレクションするもみじは綺麗でした。
写経机だけではなく、縁側もピカピカで青紅葉が映り込んでいました。
やっぱり写真を撮りたくなったので、
写真を撮れるまで待ちましたが、綺麗に撮れました。
それだけでも瑠璃光院へ拝観した目的が果たされた気がしました。
リフレクションする青もみじ

 

 

 

寺嫁のおすすめポイント2∶豊かな自然

まず、おすすめするのは、立地の自然の豊かさです。
瑠璃光院は山の斜面を利用して建てられていますが、
趣のある門を入ると沢山の青紅葉で空が覆われていました。
苔も綺麗に地面を覆っていて目の前が一面緑色です。

葉っぱの隙間から見えるキラキラ光る木漏れ日も空の青さも美しく、
とても気持ちよかったです。

拝観後、バス停まで歩いたのですが
瑠璃光院の前には川が流れていてカジカガエルが鳴いていました。
豊かな自然を感じることができました!

青もみじ

 

 

 

 

 

寺嫁のおすすめポイント3:気軽に写経ができる

瑠璃光院に入ると写経の用紙をいただけます。

浄土真宗で大切にされている
『浄土三部経(じょうどさんぶきょう)』の中の1つ
『仏説観無量寿経(ぶっせつかんむりょうじゅきょう)』から
「光明遍 照十方世界 念仏衆生 摂取不捨」

天親菩薩(てんじんぼさつ)の『浄土論(じようどろん)』から
「観仏本願力 遇無空過者 能令速満足 功徳大宝海」

このお経をなぞり書きできるようになっている用紙とお手本です。
ボールペンも一緒になっているので、ボールペンで書きます。
お手本には現代語訳も書かれていて、
気軽にお経に親しんでいただくことができます。
ゆっくり丁寧に書いても10分程度あれば十分に書けます。

写経をした用紙は1階にある本堂の阿弥陀如来象の前に
納めることができます。

うちのお寺でも写経をしますが、1時間くらい時間を取ってしまいます。
瑠璃光院の写経は文字数が少なく、ボールペンで書くので
気楽に写経を楽しくことができると思いました。
お経に親しむ機会があって、寺嫁的にはとってもおすすめです。

写経中

 

 

 

 

寺嫁のおすすめポイント4:ルイ・イカール美術館

私は残念ながら見られなかったのですが、ルイ・イカール美術館をオススメします。
なんでもっと時間の余裕を持って瑠璃光院に行かなかったのか
もっと、下調べをきちんとするべきだったと、後悔しています。
ルイ・イカールの作品を観賞できるのはもちろん
展示スペースも楽しめる設計で、大きく5つの展示スペースを設け、
趣向を凝らしている美術館だそうです。
和の瑠璃光院、洋のルイ・イカール美術館
和洋で楽しめますね。
ショップもあり、お土産やオリジナルグッズが買えるそうです。

ほかにも、先程触れましたが、「八瀬の釜風呂」もオススメです。
大海人皇子(おおあまのおうじ:後の天武天皇)が入ったという釜風呂です。
中には入れませんが、興味深く中をのぞきました。

 

 

 

 

 

本堂もオススメです。
ほかのお寺に比べ小さいのですが、
その分、ご本尊の阿弥陀如来象との距離が近いので
お姿を間近で拝見できます。

また、お抹茶の接待を別料金で受けることができます。

青もみじがとても美しかったので
紅葉も美しいと思います。
絶対に予約を取るのは至難の業だとは思うのですが
私は、秋にも訪れてみたいと思ってしまいました。

いかがでしたか?
瑠璃光院はがっかりという意見もありますが、
見どころもたくさんのお寺です。
機会があったらぜひ瑠璃光院をお参りしてください。

お読みいただき、ありがとうございます。
南無阿弥陀仏

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