釈迦の父は? 釈迦の母は? 白い象? 釈迦は脇から生まれた?

釈迦の父は? 釈迦の母は? 白い象? 釈迦は脇から生まれた? 仏教豆知識

こんにちは、お寺ジェンヌです。

以前の投稿でお釈迦さまの誕生をお祝いする「灌仏会(かんぶつえ)」について調べたことがありました。「お釈迦さまの誕生日っていつ?花祭りって?詳しく解説」を投稿しました。

キリストの誕生日であるクリスマスはお祝いしていますよね。

今年は4月8日(地域によっては月遅れの5月8日)、お釈迦さまのお誕生日をお祝いしてくださいね!

さて、今回はお釈迦さまがご誕生したときのエピソードについて調べてみました。

お釈迦さまの父は?お釈迦さまの母は?

お釈迦さまは紀元前5世紀頃にお生まれになった仏教の開祖です。
本名はガウタマ・シッダールタ、パーリ語ではゴータマ・シッダッタです。
お釈迦さまの誕生日の年代特定には諸説があるそうですが、日本には今から約2,500年前の4月8日と伝えられています。

お釈迦さまの父の名前はシュッドーダナ、パーリ語でスッドーダナです。
シャーキャ(釈迦)族の王であり、カピラヴァストゥ(カピラ城)の城主です。
当時、シャーキャ族は大国、コーサラ国に属しており、戦火に見舞われることが多かったそうです。カピラヴァストゥは城ですが、一個の城を指すのではなく、城下町全体そう呼んだそうです。
名の由来はカピラという仙人が以前、この場所にいたからであるという伝説があるそうです。

お釈迦さまの母の名前はマーヤーです。隣国コーリヤの執政アヌシャーキャの娘です。

お釈迦さまの父であるシュッドーダナとお釈迦さまの母であるマーヤー夫人は結婚の後、永い間子宝に恵まれていませんでした。

このお話、国王夫妻は何不自由なく暮らしているようで、永い間子宝に恵まれなかったということを悩んでいらっしゃったのではないでしょうか?
人間には必ず苦しみがつきものだと象徴しているように思いました。

お釈迦さまと白い象?

お釈迦さまのご誕生にまつわるエピソードがいくつかあります。
その中の一つにお釈迦さまの母であるマーヤー夫人の見た夢のお話しがあります。

国王夫妻には長い間子供がなく、もう子供ができないかと思っていた頃にお釈迦さまの母であるマーヤー夫人は不思議な夢をご覧になります。
6本の牙を持つ白い大きな象が天から降りてきて夫人の胎内に入る夢です。

お釈迦さまの父のシュッドーダナは、この夢の意味を学者に尋ねました。
学者は「これはおめでたい。やがてすばらしい男の赤ちゃんがお生まれになるにちがいありません。」と言いました。
その後、マーヤー夫人はお釈迦様をご懐妊しました。

お釈迦さまの前世は兜率天(とそつてん:次世代のブッダあるいはブッダの後継者が住む世界)における菩薩であり、そこから場所や親となるべき人物を入念に選び、自身の意志によって、白い象に化身して、マーヤーの右脇から胎内に入り込んだといわれているそうです。

お釈迦様の母、マーヤー夫人の夢に出ていた白い象が花祭りの白い象です。
兜率天(とそつてん)がどんな基準でシュッドーダナ王とマーヤー夫人を選んだのか興味があります。
その理由も機会があったら調べてみたいと思います。

そして、この白い象、花祭りに誕生仏(たんじょうぶつ)を安置した花御堂(はなみどう)を載せて登場しますよね。
子どもの頃に仏教系の保育園・幼稚園に通っていた方は、花祭りのパレードで白い象を引っ張ったご経験のある方もいらっしゃるのではないですか?

お釈迦さまは母の右脇から生まれた?

お釈迦さまのご誕生にまつわる次のエピソードは「お釈迦さまは母の右脇から生まれた」です。

お釈迦さまの母であるマーヤー夫人は、出産のために里帰りの途中、
現在のネーパル南部のルンビニにある花園に差しかかった時に産気づきました。
そして、お釈迦さまがマーヤー夫人の右の脇の下から生まれたとされています。

しかし、お釈迦さまが母であるマーヤー夫人の右脇から産まれたというのは事実だとは思えないような不思議なお話ですよね。
もちろんお釈迦さまは実在の人物で、マーヤー夫人の出産も普通の出産でした。
ではなぜ、こんなお話しが伝わっているのでしょうか?

「お釈迦さまが母の右脇から生まれた」というエピソードは後世に創作された話で、カースト制度が仏教内部にまで影響していたといえるそうです。
「お釈迦さまが母の右脇から生まれた」というエピソードは、お釈迦さまがクシャトリア(古代インドの四姓制度(しせいせいど)の身分で王族)の出身であることを暗示していると考えられています。
古代インドには四姓制度(しせいせいど)という身分制度があり、以下の身分に分けられていました。
・ブラーフマナ:司祭者(婆羅門 ばらもん)
・クシャトリア:王族(刹帝利 せつていり刹利 せつり
・ヴァイシャ:庶民(毘舎 びしゃ)
・シュードラ:隷民首陀羅 しゅだら首陀 しゅだ

バラモン教の『マヌ法典』や『リグ・ヴェーダ』によれば、梵天(ぼんてん:ブラフマー・バラモン教の神)の体からそれぞれの身分が生まれたとされています。
口からブラーフマナが、上半身からクシャトリアが、下半身からヴァイシャが、足からシュードラが
生まれたとされています。
また、なぜ右脇かというと、インドの習俗によると「右」は清らか、「左」は汚れているとされています。

以上のことから、お釈迦さまが母の右脇から生まれたということは、身分の高いクシャトリア(王族)の出身ということを暗示しているということになります。
お釈迦さまが母の右脇から生まれたというお話しから、当時のインドの身分制度が垣間見られるとは驚きました。
「お釈迦さまが母の右脇から生まれ」というエピソードは、ただの作り話ではなくインドの時代背景が隠れていたという訳ですね。

お釈迦さまのお生まれになったエピソードはまだありますが、続きはまた書きますね!

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