天上天下唯我独尊読み方は?ポーズは?誰が言った?意味を分かりやすく(画像あり)

天上天下唯我独尊読み方は?ポーズは?誰が言った?意味を分かりやすく 仏教豆知識

こんにちは、お寺ジェンヌです。

みなさんは「天上天下唯我独尊」という言葉をご存じですか?
「天上天下唯我独尊」って
「暴走族が着ている特攻服に書かれている言葉」だって
思ったそこのあなた!
お寺ジェンヌと同世代ですね!
最近では『東京卍リベンジャーズ』というマンガでも、
「天上天下唯我独尊」と特攻服に書いてあったりするので、
お若くても「天上天下唯我独尊」という言葉を
知っている方も多いかもしれません。

ただ、もしかしたら「天上天下唯我独尊」は本来の意味と違った
意味で理解されている気がします。

そこで今日は「天上天下唯我独尊って読み方は?」
「天上天下唯我独尊 誰が言った?」「天上天下唯我独尊 ポーズは?」
「天上天下唯我独尊って?」について調べてみました。

天上天下唯我独尊の読み方は?

まず、「天上天下唯我独尊」の読み方について調べてみました。

「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」と
「天上天下唯我独尊(てんじょうてんがゆいがどくそん)」の両方を
聞いたことがあると思います。
「天下」に用いられている漢字はさほど難しくないですが、
読み方に悩んでしまいますよね。

日本語にはの「連濁(れんだく)」といわれる2つの語が
結びついて1つの語になるときに、
発音しやすくするために、後ろの語の語頭が清音から
濁音に変化する現象があります。
天下は、「天(てん)」+「下(か)」なので、
下(後ろの語)の語頭である清音の”か”が
濁音の”が”や”げ”に変化します。

なので「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」または
「天上天下唯我独尊(てんじょうてんがゆいがどくそん)」となります。
ちなみに、「朝日新聞出版」の寺旅研究家、
吉田さらさ氏監修の「やさしい仏像」という本では
「てんじょうてんげゆいがどくそん」とのっていました。

仏教用語では「てんじょうてんげゆいがどくそん」と
読むことが多いうに思います。
私は「天上天下唯我独尊」は
「てんじょうてんげゆいがどくそん」と表記します。

天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)誰が言った?

天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)は
誰が言った言葉でしょうか?
仏教の開祖であるお釈迦(しゃか)さまのお言葉です。
お釈迦(しゃか)さまがお生まれにって
すぐに7歩歩いて
右手で天を指し、左手で地を差して、周りを見渡し
「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」と
宣言したと伝えられています。

天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)ポーズって?

「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」は
お釈迦さまがお生まれにってすぐに7歩歩いて
右手で天を指し、左手で地を差して、周りを見渡し宣言したと
伝えられている言葉です。

このときの右手で天を指し、左手で地を差したお姿が
「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」のポーズです。
このポーズをかたどった童子形にあらわされた像が
花祭りで甘茶をかける「誕生仏(たんじょうぶつ)」のお姿ですね。

誕生仏

当寺の花祭り、花御堂の中の誕生仏

なぜ「7歩」なのかというと
仏教では、人間は悟りを開くまで間、
6つの世界を巡り続けると考えられています。
これを「六道輪廻(ろくどうりんね)」といいます。
この世に生きるすべてのものは、六道の世界に生と死を何度も繰り返して、
さまよい続けるということです。
六道とは、六界とも言い苦しみの世界のことを指します。

地獄道(じごくどう) 最も苦しみの激しい世界
餓鬼道(がきどう) 食べ物も飲み物も炎となって食べられず飲まれもせず、飢えと渇きで苦しむ世界
畜生道(ちくしょうどう) 犬や猫、動物の世界。弱肉強食の境界で、常に不安におびえている世界
修羅道(しゅらどう) 絶えない争いのために苦しむ闘争の世界
人間道(にんげんどう) 苦楽相半ばしている、我々の生きている世界
天道(てんどう) 楽しみの多い世界だが、迷界に違いなく、悲しみもあり寿命もある

お釈迦(しゃか)さまが、「7歩」歩いたというのは、
この六つの迷いの世界から
1歩出て離れた、ということを意味していて、
悟りを開いた者のみが、この6つの世界からのループを抜け出して、
困苦のない幸せな世界(仏の世界)へと進むことが
できると考えられています。

花祭りでこの「誕生仏」に甘茶をかけたことのある方も
沢山いらっしゃると思います。

天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)の意味って?

お釈迦(しゃか)さまは紀元前5世紀頃にお生まれになた
「ガウタマ・シッダールタ」という仏教の開祖で、
紀元前5〜6世紀頃、北インドのコーサラ国の属国「シャーキヤ国」の王である
父(シュッドーダナ)と母・摩耶(マーヤー)夫人の間に生まれた王子です。

摩耶(マーヤー)夫人は、出産のための里帰りの途中、
現在のネーパル南部にあるルンビニにある花園に差し掛かった時、産気づき、
右の脇の下から生まれたとされています。

春暖かな4月8日、ルンビニの花園には花々が一斉に咲き誇っていて
釈迦は生まれると、すぐに東西南北にそれぞれ7歩ずつ歩き、
「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」と宣言されました。
お釈迦さま誕生の逸話に出てくる言葉が誕生偈(たんじょうげ)の一節の
「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」です。
「この世に自分より尊い者はいない」を意味します。

「唯我独尊(ゆいがどくそん)」の部分は、転じて「ひとりよがり」や
「うぬぼれ」を意味する言葉として一般に用いられてることもあります。
「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」をこのように
『この世の中で俺さまが一番偉い』と間違った解釈で捉えてしまったのが
暴走族が着ている特攻服の背中の刺繍「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」
ではないかと思います。
しかし、これは本当の意味ではありません。

この「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」には、
お釈迦さまがお悟りを開かれ仏陀(目覚めたもの)となって
世界の苦しみ悩む人々を安らぎの世界に導きましょうという
お心をあらわした宣言です。

このお言葉には、
「この世に自分より尊い者はいない。同じようにすべての生き物はそれぞれに尊い」
ということをあらわしています。

とはいうものの、この解釈は誕生偈(たんじょうげ)の
文脈からは明らかにずれるので、
違うとする考え方もあります。
「お釈迦さまがそのような傲慢なことを言うはずがない」と
後付された解釈だということです。

お釈迦さまの生涯を語る仏伝は、最初からまとまった形ではなく、
いろいろなエピソードから抽出され整理されて成立しています。
誕生直後にお釈迦さまを占った
アシタ仙人の称賛の言葉などが素となり、
仏教が伝わる間にお釈迦さまが生まれたときの言葉と
されたと推測されています。

当時の仏教徒たちのお釈迦さまへの尊敬の想いが
「この世に自分より尊い者はいない。
同じようにすべての生き物はそれぞれに尊い」
と解釈したのかもしれませんね。

だから、実のところ「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」の
本当の意味もわかっていないということになるのかもしてません。
でも、私としてはやはり
「この世に自分より尊い者はいない。
同じようにすべての生き物はそれぞれに尊い」を
本当の意味にしてほしいです。

確かにお釈迦さまは世界3代宗教といわれる「仏教」を開いたお方です。
だから「この世に自分より尊い者はいない」は間違いないでしょう。
また、「自分の世界では」と考えると「この世に自分より尊い者はいない」は
成立するのではないでしょうか?

お釈迦さまは「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」のお言葉で
「この世に自分より尊い者はいない。それは、あなたも同じですよ。」と
教えてくださっています。

いかがでしたか?
4月8日はお釈迦さまの誕生日をお祝いする「灌仏会(かんぶつえ)」や
「花祭り」がお勤めされます。
(地域によっては月遅れの5月8日の場合もあります。)

お釈迦さまと同じようにご自分も周りの方も大切な方なのだと思いつつ、
お釈迦さまのお誕生日をお祝いしてくださいね!

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お読みいただき、ありがとうございました。
南無阿弥陀仏

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