お釈迦さまの誕生日っていつ?花祭りって?詳しく解説

お釈迦さまの誕生日っていつ?花祭りって?詳しく解説 仏教豆知識

こんにちは!お寺ジェンヌです。

いつも不思議に思うこと、
それは日本にはキリスト教徒より仏教徒が多いですよね。
それなのに、なぜキリストの誕生日を祝うクリスマスは盛大にお祝いするのに、
お釈迦さまのお誕生日は控えめですよね。

あなたはお釈迦さまの誕生日を知っていますか?

仏教系の保育園・幼稚園に通っていた方は
「花まつり」をお祝いしたことがある方がいらっしゃるとと思いますが、
これはお釈迦さまの誕生を祝うお祭りです。
そして灌仏会(かんぶつえ)という法要をお勤めするお寺もあります。

みなさんにも知っていただきたいので、
お釈迦さまの誕生日、灌仏会(かんぶつえ)などについて調べてみました。

お釈迦さまの誕生日っていつ?諸説あります。

お釈迦さまの年代特定には諸説があるそうです。
お釈迦さまがお生まれになった頃のインドは歴史的な記述を
明確にしなかったことや暦法(こよみ)や、
言語の変遷、文字の変遷など、時代により場所により異なり特定が難しいそうで、
年代をどの年代に特定するかは諸説あるそうです。

○ユーラシア大陸の中央から東部にかけた地域で信仰されてきた大乗仏教(北伝仏教)の場合
中国暦の4月8日

○スリランカやミャンマー、タイなどに伝わった小乗仏教(上座部仏教)
インド太陽太陰暦の2月15日

○日本
大乗仏教が主流なので、4月8日(月遅れで5月8日の場合も)

インドに於いても「灌像」(舊雜譬喩經)として
行われていた事が知られています。
中国でも佛生日として大明六年(462)に灌仏(浴佛)が
行われていたことが『佛祖統紀』などの
記録に残されているそうです。

一方、ミャンマーやタイ、スリランカの国々では「ウェーサク祭」として
インドでは「ブッダ・プーニマ」として
五月の満月の日に盛大にお祭りが行われます。
これは南方仏教の国々では、
ウェーサクの月の満月の日にお釈迦さまの誕生と成道(じょうどう「悟り」)、
涅槃(ねはん「入滅」)があったとの伝承によるそうです。

また中国では浴佛典礼や釈迦牟尼佛生誕祝儀として
旧暦4月8日に行われます。
これは種々の経典、例えば『修行本起経』、『般泥沍經』などや
2世紀頃の仏教詩人馬鳴(めみょう)の
『佛所行讃』等によったものです。

日本でもこれらの伝承を受け継ぎお釈迦さまの誕生日を
4月8日として「灌仏会(かんぶつえ)」をお勤めするお寺が多いです。
日本で始めて灌仏会(かんぶつえ)が行われたのは、
推古天皇14(606)年4月8日で、『日本書紀』では
  ”「この年より初めて寺毎に、四月八日、七月十五日設斎す」日本書記”とあり、
銅と繍(ぬいもの)の丈六(1丈6尺、約4.85m)の仏像がそれぞれ完成したこと、
この日に開かれた斎会に、数えきれないほどの人が参集したことなどが
記録されているそうです。

「灌仏会(かんぶつえ)」はお盆とともに
日本においての最も古い仏教行事の一つで
「降誕会(ごうたんえ)」、「仏生会(ぶっしょうえ)」、
「浴仏会(よくぶつえ)」、「龍華会(りゅうげえ)」という名前でも呼ばれます。
「花まつり」と呼ぶこともあり、仏教系の幼稚園、保育園で
「花まつり」をお祝いしたことのある方もいらっしゃるでしょう。
「花まつり」の名称は明治時代に浄土宗が採用したものと推定されているそうおです。
この「灌仏会(かんぶつえ)」は大乗仏教系の寺院でお勤めされ、
参詣者は自由に参加できることが多いのですが、
日蓮正宗など、お釈迦さまを本尊としない宗派では行わないようです。

お釈迦さまの誕生日の行事は灌仏会、花まつりを解説

灌仏会(かんぶつえ)、花祭りはたくさんの花で飾った花御堂(はなみどう)に
誕生仏(たんじょうぶつ)を安置し、
甘茶(あまちゃ)をそそいでお釈迦さまの誕生をお祝いする法会(ほうえ)です。

保育園や幼稚園の花まつりでは「白い象」に花御堂をのせて
子どもたちが白い象を引っ張ることもあります。
灌仏会の特徴的なものについて解説します。

○花御堂(はなみどう)
灌仏会のために作られる小さな堂で、
たくさんの花で飾られています。
これはお釈迦さまがお生まれになった地とされる「ルンビニ」の
花園に見立てています。
日本では桜の季節ですが、桜を意味している訳ではありません。

○白い象
花祭りには、白い象が登場します。
伝説では、お釈迦さまがお生まれになる前のある夜のこと、
お釈迦さまの母親である麻耶夫人(まやぶにん)が、
六本の牙を持つ白い象が体に入る夢を見て
お釈迦さまを身ごもったと伝えられているからです。
白い象がお釈迦さまを運んできた、
と信じられていることに由来しています。
白い象に花御堂を乗せて練り歩く
「稚児(ちご)行列」を行うところもあります。

○誕生仏(たんじょうぶつ)
花御堂には、右手で天,左手で地を指さしている
「誕生仏(たんじょうぶつ)」が安置されます。
お釈迦さまは生まれてすぐに七歩歩き、
右手で天を、左手で地を指して、
「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」
(生きとし生けるものは全て尊い命を持つ尊い存在であるということ)と
言ったとされています。
誕生仏は、このときのお釈迦さまの姿を表しています。
※注意していただきたいことは「天上天下唯我独尊」の
意味は「私だけが尊い」という意味ではありません!
「私は尊い。あなたも同じく尊い。」つまり
「生きとし生けるものは全て尊い」ということになります。

○甘茶(あまちゃ)
灌仏会では花御堂の誕生仏に甘茶をかけてお祝いします。
これは、お釈迦さまがお生まれになった瞬間、
天から9匹の竜が現れてを降らせ甘露の雨を降らせ、
神々は天のかさをかざし曼陀羅華(まんだらけ)を
降らせたと言われていることに由来します。
この時に降りそそいだ甘露の雨は、お釈迦さまの産湯になったそうです。
この甘露の雨にみたてて、奈良時代には香水と呼ばれる水をかけていましたが、
江戸時代に甘茶をかける習慣が広まったといわれています。
※甘茶は、ユキノシタ科のアマチャの葉を蒸して揉み、
乾燥させて煎じたお茶です。ほんのりとした甘みがあり、
漢方薬としても使われています。
灌仏会で配布もされますが、市販もされています。
甘茶味の飴もあります。

いかがでしたか?

仏教系の保育園、幼稚園では花祭りをお祝いしますが、
私の経験ではママはお子さんのお世話におわれて
あまり花祭りを楽しめていない気がします。
4月8日は花祭りで誕生仏に甘茶を注いで
お釈迦さまの誕生日を
お子さんといっしょにお祝いしてくださいね!!

花祭りはこちらにくわしく書いてあります。

花祭りってお釈迦様の誕生日?いつ?飲み物は甘茶?何をするの?白い象って?
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