遺骨を納骨しないと成仏できない?家に置いておくと災いが起こる?最適な納骨時期は?

仏教豆知識

こんにちは!お寺ジェンヌです。

最近、立て続けにこんな質問を受けました。
「○○(亡くなったお身内)のお骨を
お墓に納骨しないといけないと思うんだけど
寂しくて納骨したくないんです。
でも、お墓に入れないと成仏できないですよね?」

私の年代は親を亡くされたり
早い方ではお連れ合いさんをなくされる方もいらっしゃいます。
亡くなってしまったとはわかっていても
離れたくなくて納骨したくないお気持ちなのでしょう。

そこで、今日は
「納骨しないと成仏できない?災いが起こる?家に置いていていい?」
を寺嫁の立場で解説したいと思います。

お墓に納骨しないと成仏できない?

ご遺骨をお墓に納骨しないと本当に成仏できないのでしょうか?

正直なところ、私は死んだことがないし
死んだ後に戻って来た人はいないので
実際にどうなるのかは
体験したことがないので断言はできません。

そこで、仏教の教えに照らし合わせてみます。

浄土真宗では亡くなるとすぐに仏さま

お寺ジェンヌは浄土真宗本願寺派の僧侶です。

浄土真宗では
阿弥陀如来(あみだにょらい)さまのおはたらきにより
人は亡くなるとすぐに浄土(じょうど)に生まれて仏となります。
死んだらすぐに仏さまなんです。
成仏されています。
だから納骨をするしないは関係ありません。

これは余談ですが、
「生前(せいぜん)」といいますよね。
これは「浄土に生まれて仏になる前」ということで
死ぬ前にこの世で生きていたときのことを指すから
「生前」なのだそうです。

ほかの宗派では?

一般的な日本仏教では、人は亡くなってから
四十九日で輪廻転生(しんねてんせい:生まれ変わる)と考えられています。

亡くな直後はこの世とあの世を行ったり来たりしていて、
亡くなった日から7日ごとに裁きを受けます。
裁きのするのは閻魔大王(えんまだいおう)が有名ですが
閻魔大王を筆頭閻魔とする十王(じゅうおう)の裁きを受けます。
これは、亡くなった方がどの世界に転生するかを決めるための裁判だそうです。
四十九日目に最終的な裁きが下され生まれ変わる先が決まるそうです。
このため四十九日まで7日ごとにお経を読むのは、
十王の裁きに合わせて、亡くなった方が
良い来世に行けるように祈るという意味が有るそうです。

この四十九日間を中陰(ちゅういん)と言います。
中陰の期間は、故人が次の生を受けるための準備期間とされています。
そして、この中陰期間の終わる四十九日目を「満中陰(まんちゅういん)」と言います。
「中陰が満ちた」、つまり死者が次の行き先が決まったと言うことです。

だから、成仏したと言うことになります。
こちらも納骨したかしていないかは関係ないと言うことですね。

遺骨を家に置いておくと災いが起こる?

ご遺骨を家においたままにしておいても災いは起こりません。
逆にお家にご遺骨がなくても火災は発生しています。
ご遺骨の有る無しではなく、
生きている人の感じ方が関係しているのではないかと思います。

ご遺骨となった方と離れたくないと思でしょうがでしょうが
ご遺骨を「怖い」とか「気味が悪い」と思う方もいらっしゃいます。
嫌な感情があるから「災いがおきる」として
早く納骨してお家に置いておきたくないという
感情的なことからだと思います。

家に置いておきたいときはどうする?

手元供養

最近(でもないかな?)「手元供養(てもとくよう)」といって
遺骨をご自宅などに置いておく方もいらっしゃいます。
・ご遺骨を全部ご自宅に置いておく
・納骨しても一部を分骨して家に置いておく
・遺骨の一部をネックレスに入れていつも一緒

最近は手元供養用の骨壺など関連商品が増えています。
ダイヤモンドにもできるそうです。
手元供養をお考えの方は仏具屋さんをのぞいてみてください。

ただ、ご遺族の中でもいろいろなお考えの方がいらっしゃいますので
よく話し合って決めていただきたいです。

手元供養していたご遺骨はずっとそのままでいい?

手元供養しているご遺骨と関係が深い方が手元に置いて大切にしているのはいいのですが、
その方が亡くなるとご遺族が手元供養を続けられるとは限りません。
ご自身が亡くなる前に手元供養しているご遺骨をどうするかを
決めておいて回りに伝えるなどしておきましょう。
残されたご遺族が困らないようにしておかなくてはなりません。

ちなみに「自宅の敷地にお墓を建てたら」とお考えの方も
いらっしゃるかもしれません。
しかし、自宅の庭に遺骨を入れたお墓を建てることは禁止されています。
「墓地、埋葬等に関する法律」で
埋葬または焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域で行ってはならないと
規定されています(同法第4条第1項)。

最適な納骨の時期は?

それではお墓に納骨すに最適な時期はいつなのでしょうか?

実は、納骨の時期は実ははっきりした決まりはありません。
四十九日法要や一周忌法要の後などが多いように思います。
地域性もあります。
お寺ジェンヌの住んでいる地域は一周忌法要の後、
納骨することが多いです。
実家は一般家庭ですが、私の祖母や親戚のおじいちゃんは
自宅で一周忌法要をお勤めしてから納骨していました。

しかし、うちの地域でも最近は、四十九日法要の後で
納骨される方も増えています。
住宅事情、お仕事の都合、などが理由のようです。

初めて四十九日法要後に納骨すると聞いた時は
「早すぎなんじゃないかな?薄情な気がする。」なんて
勝手に思っていました。
でも、全くそんなことはありませんのでご安心ください。

逆に3回忌後に納骨という方もいらっしゃいます。
初代の方でその方がお亡くなりになるまでお墓がなく
いろいろな手続きが終わって、
気持ちの整理がついてからお墓をどうするか考えたため、
3回忌後になった方もいらっしゃいます。

まれに納骨を予定していた日の天候が悪くて
後日、納骨されたり、次の法要まで伸ばされた
という方もいらっしゃいます。

納骨のタイミングを相談されると
「四十九日法要や一周忌法要で納骨される方が多いですが
ご家族の気持ちの整理がついてお墓の準備ができてからでいいと思います。」
と答えています。

実際、うちの親戚のお寺ではご両親のご遺骨を
三回忌を過ぎても納骨したくないと
本堂に安置していらっしゃいます。

納骨して気持ちにけじめをつけたい方、
お墓に入れてしまうのが寂しい方
両方いらっしゃるので、
納骨の時期は
ご遺族でよく話し合って決めたくださいね!

また、ご家族のお話し合いが終わるまで
お寺に預ける方もいらっしゃいます。
お手次寺に相談してみてください。
お手次寺にご相談してお寺で預かることもあります。
うちのお寺でも、お墓が決まらないのでお預かりしているご遺骨があります。

いかがでしたか?
大切な方のご遺骨をお墓に納骨していないからと言って
亡くなった方が成仏できないということはありません!
だからお気持ちの整理がつくまで
納骨しなくても大丈夫です。
でも、ご自身が亡くなるまえにご遺骨をどうするかは
決めておいてくださいね。

お読みいただき、ありがとうございました。
南無阿弥陀仏

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