こんにちは!お寺ジェンヌです。
先日、葬儀社の方とお話ししていたら、
最近は「うちは浄土真宗なんだけど、西と東、どっちですか?」と
聞かれることが増えたと仰っていました。
お若い世代の方だとそうかもしれないなって思いました。
そこで、今日は西本願寺と東本願寺、
それぞれの宗派の見分け方を説明します。
西本願寺と東本願寺はどう違う?
西本願寺、東本願寺と言いますが、どちらも通称です。
西本願寺:龍谷山本願寺
浄土真宗本願寺派の本山
宗派の通称も「お西」
東本願寺:真宗本廟
真宗大谷派の本山
宗派の通称も「お東」
※西本願寺と東本願寺の違いではありますが、宗派の違いでもあるので、
ここではお西(西本願寺:本願寺派)、
お東(東本願寺:大谷派)と表記します。
どちらも親鸞聖人(しんらんしょうにん)を宗祖(しゅうそ)とする
浄土真宗の宗派の本山です。
12代目で西本願寺と東本願寺に分れました。
そのため、教えなどの基本的な部分は大きな違いはありませんが、
あえて違いを作ったのか、
お仏壇、本尊、紋など細々とした違いがあります。
この細かいところを確認すると、お西とお東の区別ができます。
お西(西本願寺:本願寺派)とお東(東本願寺:大谷派)の見分け方は?
お仏壇
仏壇を見るとお西(西本願寺:本願寺派)か、お東(東本願寺:大谷派)を区別できます。
お西とお東のお仏壇を並べて見る機会は
あまりありませんので気が付かないかもしれませんが、
一目見てわかるの違いがあります。
仏壇の柱の色が違います。
お西(西本願寺:本願寺派):金箔が施されている
お東(東本願寺:大谷派):黒塗り
また、お仏壇の屋根にも大きな違いがあります。
お西(西本願寺:本願寺派):一階建て屋根の檜皮葺き(ひわだぶき)
お東(東本願寺:大谷派):二階建て屋根の瓦葺き(かわらぶき)
だから、お仏壇を見ると東西を区別できるのです。
仏具
お仏壇を見ればお西(西本願寺:本願寺派)、お東(東本願寺:大谷派)の
区別がつくと書きましたが、
最近は家具調仏壇が人気で、お仏壇を見ても分からないことがあります。
その場合は、中に飾ってある仏具で区別できる場合があります。
輪灯(りんとう)
輪灯(りんとう)とは、浄土真宗で使われる仏具の一種で、
お寺の本堂やに吊るして照明に使われる、真鍮製の灯火具です。
油や煙よけの傘をつけた釣り具に、
油皿をのせる皿に輪をつけたものが対で用いられます。
この傘の部分の装飾などが違っています。
お西(西本願寺:本願寺派):菊輪灯(きくりんとう)
皿と輪の部分に菊の花が装飾されています。
宗紋(しゅうもん)である藤の装飾が入ることもあります。
華やかなデザインのものが多いです。
お東(東本願寺:大谷派):丸蔓輪灯(まるつるりんとう)
油を乗せる皿に輪がついただけの、シンプルなデザインです。
本山輪灯と呼ばれることもあります。
傘の上に瓔珞(ようらく)という飾りがついています。
※家具調仏壇や上置仏壇といったスペースの取れないものの場合は、
飾らないこともあります。
花瓶(かひん)、香炉(こうろ)、ろうそく立て
お西(西本願寺:本願寺派):黒っぽい宣徳色(せんとくしょく)の仏具を使用
お東(東本願寺:大谷派):真鍮製や金メッキ製で金色の仏具、
燭台(ろうそく立て)は鶴亀の形のものを使います。
お仏壇の柱の色と花瓶(かひん)、香炉(こうろ)、ろうそく立ての色は
東西で逆になります。
鈴台(りんだい)
お鈴(おりん)を置く台の形が違います。
お西(西本願寺:本願寺派):六角形。お鈴の下に鈴布団(りんぶとん)を敷きます。
お東(東本願寺:大谷派):四角形。お鈴の下には正式には雲輪(くもわ)という
雲の彫物が入った独特の仏具を使います。
※リン棒(お鈴を打つ棒)を置く位置
お西(西本願寺:本願寺派):明確な決まりなし
お東(東本願寺:大谷派):お鈴の中に収めるのが正式
ご本尊の掛け軸
お仏壇に掛ける「ご本尊(ほんぞん)」にも違いがあります。
阿弥陀如来のお姿を表した絵像(えぞう)の場合、
長方形の短辺が上下になっていますが、
上の短辺の角から角に伸びている後光(金色の線)の本数が違います。
お西(西本願寺:本願寺派):8本
お東(東本願寺:大谷派):6本
また、お西(西本願寺:本願寺派)は
名号本尊(六字名号(ろくじみょうごう∶南無阿弥陀仏のこと))を
選ぶこともできます。
ちなみにご本尊の掛け軸の両側に脇掛という掛け軸をかけますが、
これもお西(西本願寺:本願寺派)と、
お東(東本願寺:大谷派)で違っています。
紋
お西(西本願寺:本願寺派)とお東(東本願寺:大谷派)では用いている紋がちがいます。
お西(西本願寺:本願寺派)∶下り藤
お東(東本願寺:大谷派)∶牡丹
一番わかりやすいのは浄土真宗の僧侶が、首からかけている輪袈裟(わげさ)に
紋があることが多いです。
ご自宅に月参りにいらっしゃるお寺さまがいらっしゃったら、
輪袈裟を見てみてください。
また、お仏壇に黒い平たい箱が有るのではないかと思います。
これは8代目の蓮如上人の御文章(東本願寺は御文)を
入れてある箱ですが、この箱に紋が入っていることが多いです。
いかがでしたか?
お西(西本願寺:本願寺派)とお東(東本願寺:大谷派)、
細かいですが違いがあるので、お仏壇などで見分ける事ができます。
ちょっとお仏壇をチェックしてみると
お西(西本願寺:本願寺派)かお東(東本願寺:大谷派)かがわかるかもしれません!
ご自宅のお仏壇を見てみてください!
西本願寺と東本願寺について記事を書いています。
ことらもぜひお読みください。
お読みいただき、ありがとうございました。
南無阿弥陀仏
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